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憂鬱な梅雨が明けて、時期は七月の半ば。
カフェ兼アンティークショップ『Avec-toi(アヴェク・トワ)』は今日も賑わいを見せている。
「店長。こっちは貼り終わりました」
「てんちょー。こっちも終わったっスよ」
こっちへやって来た日野と、商品棚の横から顔を覗かせた小笠原が口々にそう告げてきた。
「了解。二人共アクセコーナーの方に回ってくれ」
「分かりました」
「はいはーい」
きびきび動く二人を見届けつつ、俺はレジ内で在庫の整理をしている。
もう一人のスタッフ、片山さんにはカフェの方に入ってもらっていた。
彼とはアレ以来プライベートな話はしていない。
いや、普段もあまりする方ではないけれど、それ以上に酷くなっている気がする。
(……っていっても、あの人は全然普通に見えるんだけどな)
自分だけが意識しまくっていることが少しばかり悔しい。
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