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「てんちょー。そろそろ交代しますよ」
「了解。こっちももう終わるから先に着替えてくれ」
眩しい笑顔はそのままだが、口調が素に戻って緩々だ。
そんな彼、小笠原清一郎に頷きながら、俺は動かしていた手を速めて荷出しを手際良く済ませた。
着替えると言っても、カフェ用と雑貨用のエプロンを着け替えるだけ。
雑貨フロアを担当すると、扱う物によってはどうしても服が汚れてきてしまうため、衛生上エプロンだけはカフェとは分けて使用する。
「着替え終わったか?」
二階にあるスタッフルームの扉を開けると、肩に引っ掻けて着るタイプのエプロンの紐を、ぐるっと腰に巻いて腹の前で結び終えた小笠原が目に入った。
「完璧っスよ」
「荷出しは終わってるから、今日は接客と商整を中心に頼むな」
「さっすが、仕事早いっスねー」
「普通だろ、普通」
軽口を叩いてくる小笠原にこっちも軽く言葉を返しつつ、さっきまで彼が着ていたのと同じ腰から脹脛まで及んだソムリエエプロンを引っ掴む。
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