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「あぁ、お疲れさん。時間的に客も引いて来ただろうから、先に休憩に入っちまってくれ」
「はい。じゃあちょっと外出て来ますね。――木村さーん、僕休憩入りますねー!」
「はいよー。いってらっしゃい」
俺の後ろで作業を続ける木村へヒョコッと顔を覗かせて言葉を交わしてから、日野潔はパタパタと厨房を出て行った。
腕時計を見ると十三時十五分前を告げていた。
カフェフロア開放時間は雑貨フロアより一時間遅い十一時からで、ランチタイムを終えて一時には一旦閉めるシステムになっている。
シフトはA帯とP帯の二つに分けており、A帯の九時半から出て来ている日野が一番に休憩に入れるというわけだ。――三十分早いのは店を開ける準備時間を取るため。
俺は厨房の布巾を一つ持ち出してテラスへ向かった。
「いらっしゃいませ」
食事をしながらお喋りを楽しんでいる女性客に接客用のセリフを投げかけて、近くのテーブルを持ってきた布巾で手際よく拭く。
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