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それでも笑顔を絶やさずにいる自分を褒めてやりたい。
「そうですか。いつもご来店ありがとうございます」
定番文句しか出て来ない自分を叱咤してやりたい。
己を持ち上げたり落としたりしている間も、彼女たちの会話は続く。
「英さんって言うんですね! なんだかそれっぽーい!」
それっぽいとはどういう意味だろうか。
胸につけているネームプレートを見つめながらはしゃぐ彼女達に心中で溜息を零した。
女の会話を理解する日がいつか来るのだろうか……。
いや、それ以前に出来る気がしない。
「あの、彼女は?」
「……はい?」
「恋人とかいらっしゃいます?」
(とかってなんだ?)
恋人って言っている以上濁す必要があるのだろうか。
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