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「え、これどうすんの? 優ちゃん」
「店長だッ。罰としてお前が片しとけ」
「えええっ」
布巾を摘んで持ち上げながら小さく肩を落とす小笠原を横目に、そういえばと疑問符が頭に浮かんだ。
「お前、なんでこっち来てんだ? 雑貨の方はどうした」
「今丁度お客さん引いたんで、トイレっスよトイレ。そしたら店長見えたんでふらふら~っと」
「寄り道してんじゃねえ。っつか、客用のトイレ使ったな?」
「あ、バレました?」
「当たり前だ!」
今度はちゃんと店長と呼んだことを褒めてやりたいが、ここへ来るまでの行動を聞いたらそれは打ち消された。
相手に押し付けた布巾を雑に奪い取る。
「とにかく持ち場に戻れ。――今度からはちゃんと上使えよ?」
「はいはーい」
小笠原の軽い返事に大丈夫か? と少し懸念の眼差しを彼の背中に向けてから、俺は布巾を持って厨房に上がった。
下のトイレは客用、上のトイレがスタッフ用と決めてある。
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