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「何ですか?」
呼ばれるままにやってきた日野は、俺が視線を向けているパソコン画面を釣られる様に覗き見た。
「あ、可愛いにゃんこですねー」
「これに設定したのお前じゃないのか?」
問われてきょとんとした表情を浮かべる日野。
「違いますよ?」
「ならいいんだ。仕事に戻ってくれ」
「? はい……」
失礼しましたと出て行く日野を見送り、俺はフゥと息を吐く。
(日野じゃねーってことは……やっぱアイツか?)
そうとしか考えられない。
俺は下で働いているはずの小笠原の顔を思い浮かべ、緩く肩を竦めた。
この程度の背景ならどう変わっていようが気にする事はない。
しかし、設定していたはずの背景が次開いた時には必ず猫に変わっているのが不思議でならなかった。
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