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「分かったから落ち着け。場所は?」
『トイレの前ですっ!』
(やっぱり……!)
客用トイレは入口も死角になっていて、近付かない限り外からは見えないようになっている。
そこで待ち伏せしていた客に捉まったことが前にもあって、それからスタッフは使用禁止という決まり事ができたのだ。
(だから、上使えって言ったんだあのバカはッ)
「すぐ行く」
俺は受話器を戻して今開いているページを上書き保存するのを忘れずに、事務室を慌ただしく出て下に向かった。
「日野。状況は?」
階段の下で俺を待っていたのか、おろおろしている日野が目に入って声を掛けた。
「あ、店長! それが、全然状況が変わらなくて……」
フロアにいる他の客も、困惑した面持ちでトイレの方へ視線を向けていた。
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