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「受け取るくらいイイじゃないですか! 折角ミホが頑張って作ったのに!」
「そうですよ! 昨日から徹夜で作ったんですよ!? この子の努力を無下にするつもりですか!?」
死角になっているトイレの入り口に近付くと、同じ制服を着た女子高生が三人、小笠原を取り囲んで訴えるような文句を投げかけていた。
一人は泣いているのか目元にハンカチを押し当てている。
「ごめんね。でもお客様からの差し入れは受け取れない決まりになってるから……」
彼女等の気迫にさすがの小笠原も思い切り困り果てているようで、言い聞かせるはずの言葉がどことなく弱い。
受け取らないではなく、受け取れないと言い回す辺り、彼らしい優しさだと思うが、それを聞き入れてくれる事はどうも無さそうだ。
「だから! 今回だけでいいって言ってるんですよ!」
「受け取ってくれるまで、私たち動きませんから!」
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