君恋1-1

31/44

931人が本棚に入れています
本棚に追加
/276ページ
 それを聞いた片山さんは、パソコンの横に置いていた卓上カレンダーを手に取った。 「……特に予定はないので、適当に入れてくれて構いません」 「そうですか。助かります」  他のスタッフの希望は既にチェック済みで、表の休み希望日に×が入っている。  あとは出られる日を均等に組んでいくだけだ。 「こんなもんかな……」 「できました?」  俺の呟きに、頭上から声が降ってきてチラリと見上げる。 「ええ。これで大丈夫だと思いますよ。後で印刷しておくんで持ち帰って下さい」  言いながら上書き保存をして、フォルダを閉じる。 「あっ」 「……?」  不意に声を零した片山さんをもう一度仰ぎ見て、俺はそのまま視線を追って行く。  すると……、 「――あ」  今度は俺がある事に気付いて声を零した。
/276ページ

最初のコメントを投稿しよう!

931人が本棚に入れています
本棚に追加