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そんなことを考えながらクスクスと笑っていたら、気まずそうに否定する片山さんに驚いた。
「猫が好きってわけじゃ、ないです」
「え? でも……」
「別に嫌いってわけでもないんですが……特に好きというわけでも……」
「片山さん? 大丈夫ですか? ……なんか顔赤い――」
片山さんの頬に手を伸ばす。
「っ……?」
触れる寸前、思い切り払われてしまった。
あまりの驚きに赤くなった手を押さえることさえ忘れて彼を凝視する。
(どういうことだ? 俺、何か怒らせるような事言ったか……?)
もしかしたら、片山さんにとっては隠しておきたかったことだったのかもしれない。
知ったとしても、話を切り上げるべきだったんじゃないだろうか……。
「片山さん……?」
「手、すみませんでした。仕事に行きます」
「え、ちょ、片山さん……⁉」
困惑した表情を浮かべている彼は踵を返して出て行ってしまった。
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