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だからって、相手の気持ちを知ったところでそれを受け入れられるかと訊かれたら、それは無理だ。
片山さんのことは、大事な仲間としか思っていない。――今までも、これからも。
「てんちょー! とりあえず全部終わったと思いますよー」
しゃがんで作業をしている俺に、カウンターに身を乗り出して声を掛けてきた小笠原。
彼を視界に入れてから、俺は一度立ち上がる。
アクセサリー売り場で片付けをしている日野の姿を見て、小笠原に次の指示を出す。
今日は、明日総出で行われる棚卸のために、下準備をみんなに手伝ってもらっている。
全部の棚に、紙に書かれた番号札を貼り付けて行き、サンプルとして出ている商品の空箱を、カウントしないように退ける作業だ。
そして、夕方六時三十分少し前。
「二人共お疲れさん。そろそろ時間だな。退勤していいぞ」
A帯で入っている日野と小笠原に帰るよう声を掛けた。
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