第2話

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「悪い、遅れた」  襖を開けて入って来たパーマをかけて茶髪に染めた紀杜だった。  柄にもなくスーツを着ていた。 「何ていうか似合ってないな」 「違うな」 「うるせーよ。仕事だから仕方ないだろ」  ジャケットをハンゲーに掛け一番手前の席に座る。 「俺だってスーツなんか着たくなよ。謝りになんか二度と行かねー」 「内容も合ってないな」 「紀杜が謝りに行くって、おもしろいな」 「一度見てみたいな。申し訳ございませんって言ってる紀杜」 「想像すると笑う」  想像があまりにも可笑しかったのか、自然とにやけている。アルコ ールが入っていることもあり、無理やり作っている様子はなかった。 「似合わねー」  横でにやけた顔を向ける海斗の顔を平手でビンタする。 「痛っ。何でヤバいよ」 「懐かしい」 「海斗に笑われるとウザい」 「ウザいはないよ。それより何飲む?」
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