第1話:休日ニートシテタラ、周リノ状況ニオイテカレテタ

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 帰宅し、嫁への定期連絡を入れると、やらなきゃいけない用事は終わる。  炊飯器に洗った米をセットし、風呂に向かう。  実は、この風呂がここに住んでいる一つの理由でもある。  温泉地の為、格安で定額掛け流しの温泉がついているのだ。  熱めの湯に入り、疲れとオヤジ脂を洗い流した。  ゆっくり湯に浸かっていたため、ちょうど炊けた米と自家製の干物、玉子焼きを食べた。  休日ニートだが独身貴族(金に制限あり)のため、自炊はしないといけない。そして、食材には手を抜く気は無い。  休日ニートだが、伊豆に住んでる理由の一つは趣味の釣りの為でもあるのだ。  獲物はこうして干物や燻製などとして保存し、日々活用している。  夕食を終え、発泡酒の缶を開けて一口飲むと、PCを立ち上げた。  日課となっているあるブラウザゲームをやるためだ。  昔からゲームが好きだった訳ではない。  どちらかと言うと苦手な方で、酔って嫁とレースゲーしてはこてんぱんにされるのが、以前の日常だった。  ところが、嫁が実家に戻った2ヶ月前に、何気に巡回していた某巨大掲示板の虹板で、ある画像を見てしまった。  このゲームの登場キャラのイラストだったのだが、あまりに嫁に似ていて衝撃を受けた。  まあ、そんな事言うと、ディスプレイの中の嫁乙とか、妄想嫁乙とか言われ本当なのだから、こればかりは仕方ない。  アラフォーオヤジに、何故か15歳下の嫁が居る。妄想嫁みたいだが、事実なのだから、仕方ない。  うらやましいか?ホント、見せてやりたいくらいに、これだけは自慢の可愛い嫁だ。  とはいえ、その嫁も実家に戻っており、寂しい独身貴族という現実だけが残っている以上、ディスプレイの中に嫁成分を求めても仕方ないとしてくれ。  やっぱり妄想嫁乙なんてのは聞かない。  求めてるのは、嫁成分だけではないし。  そのゲームには、ミリオタ兼メカオタを擽るアイテムとシチュエーションに溢れていた。
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