2 裏切り

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本格的な梅雨の時期が始まり、家に居る時、アルバイト先の涼しい環境ならば、何も苦にはならないが。 外に出るとジメジメ、ムシムシしていて、とても通勤時がつらい。 汗の出方が半端なくて、周りの人間に気を使わせてしまう。 身体中の熱もなかなか冷めてくれなくて、アルバイト先には、いつも早く行って、ゆっくりと汗を拭いたり、着替えたり、身体を少し冷ましてから、お店に出る。 時々、控えめにペットボトルの水を飲む姿を周りの人間に見られて。 サボってる訳じゃないのに、後ろめたくて。 こんな面倒な女なんて、早く結婚でもして辞めて欲しいわ。 だなんて、思われているんじゃないかと内心不安で。 勝手な思い込みを抱えながら、頑張って仕事に励んでいる。 結婚の話が具体的に纏まって、挨拶も済ませて、毎日嬉しいはずなのに。 正直、あまり嬉しくないのは。 誠実の態度が、日に日に冷たい事。 メールの回数も減り、1日のうちで一回。 「おはよう」か「おやすみ」だけ。 電話をしても、露骨に無視されたり。 折り返しすらも、言い訳すらもなく。 しつこくメールして、やっとの返信メールには。 「仕事中、ごめん」 それだけ。
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