2 裏切り

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6月はほとんど連絡取れずじまい。 誠実とのデートは、休日の夜。 食事だけ。 二回しか会っていない。 7月、暑さが増して。 誠実の冷たい態度は、更に度が露骨になる。 私は体力も気力すらも無くして、食事も進まなくなっていた。 何だか、急な態度に、近頃おかしいと感じていた。 それは、うちの両親も同じで。 徐々にフォローも出来ないような言葉が、家族の間で飛び交うようになっていた。 私だって、誠実に不満はある。 だけど、私以外から誠実の事を悪く言われると、悔しくて。 そんな事ない! そうやって言い返しては、父と母と喧嘩したりするようになっていた。 その度に、私は汗をビッショリかきながら、自転車をこいで、あの場所へと向かう。 向かって、御神木に頬を寄せて、ギュッと両手いっぱいに広げて、抱き締める。 「疑ってばかり…どうして私は、愛している人を信じてあげられないの?信じる勇気をください…」 すると、葉をつたってピタリと水滴が、鼻を霞めるのだ。 …雨? 荒れ狂う私の火照りを冷ますように、悲しみの雨が静かに降り注ぐのだ。
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