1 心の宿り場所

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そんな私は、今年の11月に結婚式を上げる。 32歳になってしまった私は遅咲きの、念願の結婚。 やっぱり、身体が弱いってだけで周りの人の目も有って、自分の気持ちまで弱くなっちゃって。 自分から進んでの恋愛はちょっと苦手で、そうこうしていた時に、ずっとメル友だけの関係を続けて来ていた、今の彼氏の誠実の告白で、交際する事になった。 先を急ぐ私は、誠実にニッコリと笑って手招きをする。 5歳年上のサラリーマンの誠実は、真面目で優しくて、いつもニコニコしてる。 誠実と書いて、せいじと読むにふさわしい名前だと、うちの両親は褒めていた。 両親はとても気に入っているが、誠実のご両親はこんな体質の私を気に入ってはいないみたいで、あまり良い反応はして下さらなかった。 やっぱり自分の子どもに、苦労はさせたくないんだ、と遠回しで言われたから。 「いつまで歩くんだい?一体どこに連れて行く気?」 「もう少しで着くからぁ」 子どものように手を引っ張り、一緒に歩く。
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