1 心の宿り場所

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川沿いを歩いて、しばらくすると左側に急な石段が見えてきて、 「ここ、ここ」 誠実は見上げながら、 「もしかして神社?」 「アタリ」 「あっ、としこ、汗出てる。大丈夫かい?本当に」 誠実はそれよりも、ハンカチを出して私の汗を拭いてくれた。 「うん…」 私もペットボトルの水を取り出して、少しだけ水分補給。 「これはキツイ石段だなぁ。でも、としこのお気に入りのスポットだから、せっかくだから、きちんとお参りして帰ろうかな」 「有り難う」 石段を一歩ずつ上がって、やっと辿り着く。 すると、ザワザワとワイワイと幼稚園児たちが落ち葉や雑草、枝などを片付けて拾っていた。 「こんにちわーっ!」 「こんにちわーっ!」 元気よく大きな声で園児が一人言うと、連なってマネしてみんなが挨拶してくる。 「こんにちわ」 私たち二人はたちまち大注目を浴びてしまう。 「すいません。今日は…」 引率の先生が私たちに頭を下げて、理由を伝えようとするから、 「先生、私、ここの幼稚園のOBだから、今日はどんな日なのか知ってます。恒例の奉仕作業を兼ねた、特別な日なんでしょ?」 私の言葉に、隣りの誠実が頭を傾げる。 「特別な日?」
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