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精霊には動物の姿を象ったものと、人の姿を象ったものがあるがその本体は主に樹木や植物。
樹木は長い年月を生きた後に魂を持ち、それが形になって精霊として生まれる。象った姿は様々なれど精霊に変わりはない。
動物の姿をした精霊は牛や兎、犬、猫など大小関係なくあり、縁起が良いしめでたいとされているが人の形を象った精霊は理由があり、あまり良く思われない。
不憫だと。
入り口と溜まりに生まれた子供は5歳を境に精霊憑きがどうか判明する。
親戚や家族が見守る中、上座に座る精霊憑きの長の手によってまずは目隠しをされた後に酒を染み込ませた布を唇に塗られて男女問わずに赤い紅を額から顎にかけて目隠しの上から筆で線を引き、甘い砂糖水と辛い塩水を一口ずつ飲む。
そこで聞くのだ。
“精霊が見えるか”
…と。
目隠しをしてるのだから何も見えないは当たり前だが、ここではっきりと分かれるのが精霊憑き。
見える者と見えない者が必ず分かれる。
精霊は憑いた本人にしか見えず、精霊憑き同士でも相手の精霊は見えず、一般的に結婚をすると精霊は見えなくなるが稀にそのまま生涯を共にするケースもある。
人の形を象った精霊をあまり良く思われない理由は、人の形をした精霊は必ず異性の姿をしているため、憑く事で情が湧き、婚期が遅れたり結婚をしないなどの不利益が生まれるからだ。
この人の形をした精霊に憑かれた者は村の歴史でも半分は未婚のまま生涯を終えている。
故に人の形をした精霊に憑かれた者は不憫に思われてしまう。
ああ、この子も“精霊”に魅せられてしまうのか…と。
精霊憑きプロローグ END
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