4人が本棚に入れています
本棚に追加
僕にだんだんと心を許してくれている。その実感が沸いたのは、カイトが僕の目を見て、自分から話しかけてくれたことにある。
「お前って…、俺のこと嫌いじゃないのか?」
そう聞いてくるカイトは、伏し目がちに僕の目を見る。そんなことは初めてだった。
「嫌いになんてならないよ。カイトくんといるの、僕大好きだよ?」
「…うるせ」
「えー、カイトくんが聞いてきたのに?」
「…うるせ」
カイトの態度が面白くて、僕はくすりと笑う。
カイトとの距離が狭まっているのを、僕は確かに感じていた。最近はカイトの返事の数が増えたし、体育もサボることが減った。一緒に帰るのは当たり前で、カイトは帰り際手を振り返すこともあった。
そして何より、変わったのは自分なのだと思う。
クラスの友人に、彼女が出来た。
最初のコメントを投稿しよう!