第一章 「変化する始まり」

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 僕にだんだんと心を許してくれている。その実感が沸いたのは、カイトが僕の目を見て、自分から話しかけてくれたことにある。 「お前って…、俺のこと嫌いじゃないのか?」 そう聞いてくるカイトは、伏し目がちに僕の目を見る。そんなことは初めてだった。  「嫌いになんてならないよ。カイトくんといるの、僕大好きだよ?」 「…うるせ」 「えー、カイトくんが聞いてきたのに?」 「…うるせ」 カイトの態度が面白くて、僕はくすりと笑う。  カイトとの距離が狭まっているのを、僕は確かに感じていた。最近はカイトの返事の数が増えたし、体育もサボることが減った。一緒に帰るのは当たり前で、カイトは帰り際手を振り返すこともあった。  そして何より、変わったのは自分なのだと思う。  クラスの友人に、彼女が出来た。
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