第一章 「変化する始まり」

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 僕は最近変だ。それを今日はより色濃く感じる。  カイトと一緒の帰り道、僕は友人の話をしていた。 「あのね、アユムくんに彼女が出来たんだよ。いいよねえ」 「…へえ」 僕は今日した話を思い出す。キスをしたいと言った友人は、まず手を繋いでデートするんだろうか。  僕は想像してみた。好きな人と手を繋いで、色々なところに行くのを。でも何故だか、彼女が欲しいと思えなかった。  「僕、カイトくんと付き合いたいなあ」 それは、あまりに自然な感情すぎて、ポロっと口から漏れたのだ。  「は?」  「え?」 僕らはお互いに顔を見合わせて驚いていた。
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