第一章 「変化する始まり」

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 「…お前、今何て言ったんだよ」 「いや、何と言うか…。付き合いたいって、言ってたね…」 「何で他人事みたいなんだよ。お前が言ったんだろ」  それは、驚いていたからだ。自分で言ったことなのだが、好きだと当たり前に思っていることが、どこか不思議でならなかったのだ。 「俺、男だってわかってる…か?」 不安げにカイトは聞いてくる。 「うん、さすがに…」 「じゃあ何で…」 何でだろうか。僕はカイトに、自分に生まれた感情を素直に伝えることにした。  「女の子より、カイトくんのほうがいいなって思ったんだ…」 「付き合うって、抱き合ったり手繋いだり、キスとかすんだぞ?それ俺としたいってことか?」 「…うん」  恐る恐る、カイトは僕に聞く。カイトの目を見れない。そんなことは出会って初めてだった。 「……俺のこと、好きか?」 大事な質問がきても、僕はやはりカイトから目を反らし続けた。 「好き…」 そう呟いたあと、やっとカイトの目を見た時、僕の顔はかった。  赤いのだろうか。 「カイトくんが、好きです」 僕の初恋は、同じクラスの男の子だった。
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