第2章 夕凪 梨沙

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あたしは、昔から、 〝男の子みたいね〟なんて言われ続けた。 実際、小学生の頃は、友達のほとんどが男の子で、 近所の空き地で野球をしたり、 ドッジボールをしたり、 探検ごっこと称して、 まだ行ったことのない場所を探索して、 秘密基地をつくったり。 そんな遊びばっかりしていた。 女の子らしい遊びをした記憶はほとんどなかった。 だからかもしれない。 昆虫やカエル、ヘビを見ただけで、 キャーキャー騒ぐ〝女の子〟が 正直言って理解できなかった。 中学に上がって、男の子との体力差が顕著になりだし、 自分が〝女の子〟であることを思い知らされるようになってから、 あたしの中の〝男の子〟はなりを潜めていった。 だけど、〝女の子〟らしく、振る舞う気もなかった。 どうすれば〝そう〟なるのかも解らなかった。 別に必要性も感じなかった。 考えるのは止めよう。 それが、あたしの答えだった。
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