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あたしは、昔から、
〝男の子みたいね〟なんて言われ続けた。
実際、小学生の頃は、友達のほとんどが男の子で、
近所の空き地で野球をしたり、
ドッジボールをしたり、
探検ごっこと称して、
まだ行ったことのない場所を探索して、
秘密基地をつくったり。
そんな遊びばっかりしていた。
女の子らしい遊びをした記憶はほとんどなかった。
だからかもしれない。
昆虫やカエル、ヘビを見ただけで、
キャーキャー騒ぐ〝女の子〟が
正直言って理解できなかった。
中学に上がって、男の子との体力差が顕著になりだし、
自分が〝女の子〟であることを思い知らされるようになってから、
あたしの中の〝男の子〟はなりを潜めていった。
だけど、〝女の子〟らしく、振る舞う気もなかった。
どうすれば〝そう〟なるのかも解らなかった。
別に必要性も感じなかった。
考えるのは止めよう。
それが、あたしの答えだった。
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