第13話

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何の根拠もなかった「1回で成功する」という考えがあっけなく打ち砕かれ、どうしたらいいのかわからないまま、体外受精失敗後2回目の生理を迎えました。 不妊治療にはお金がかかります。自治体からの補助もありますが、私の場合は世帯所得が制限を超えていたため、申請できませんでした。 最初に100万円まで費やそうと考えていましたから、残された体外受精のチャンスはあと1回です。 やるの? やらないの? 本当のことを言えば、お金の問題ではありませんでした。 2回目の体外受精も失敗し、自分が子供を授からない、ということが現実になるのが怖くて、恐れていました。 「子供を産めない=女としては失格」  という偏見に私もとらわれていたのです。 お金のことを理由にして最後通告から逃げようとしていました。 子供は産めたかもしれないけど、お金がもったいないし、「産まない」ことにした。 と言いたかったのです。 「産めない」のではなく「産まない」と。
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