第13話

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生まれつきの障碍や病気で産めなくなってしまった方に対してはずいぶんと失礼 で身勝手な考え方でした。 向井亜紀さんは子宮頸がんによる子宮全摘をされていますので、どんなに大金を積んでも現代の医療技術ではご自身で産めません。 そのような方を非難する気持ちも蔑む気持ちも全くないのですが、そんなことを考える余裕もないぐらい怖かったのです。 やめていいの? 子供がいなくても後悔しない? やってみてダメでもいいの? もう次に体外受精をしても成功するとは思えませんでした。 どうしてもダメな方、ダメな方へと考えてしまいます。 自分ではどうしたらいいのかわからなくなりました。 一度目の体外受精が失敗し、よしならばもう一度あきらめずにチャレンジしよう、と進める方はとても精神的に強い人だと思います。 進むのもやめるのも怖いのです。 どちらに進んでも後悔しそうな気がします。 主人に相談しました。どう思う? と。 100万円までは使うと決めたのだから、もう1回だけやったらどうかな。 その言葉に従うことにしました。 最初に決めた100万円だけ。最初に決めたとおりにしよう。 でも、頭のどこかに「どうせ次もダメだろう」、という考えがありました。 成功する気がしないのです。 それほどまでに最初の体外受精の失敗は、私の気持ちを押しつぶしてしまいました。
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