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「だが、所詮は偽物。どこかしら不完全な部分がある、そこを見抜き、偽物に“お前は偽物だ”と告げたら試練は終了。ここに戻って来れるってわけ」
「なるほど。だからすぐ終わったのね」
「ホントはこんなすぐ終わるモンじゃねぇけどな」
「あら、そうなの?」
ふふふ、と笑うリンネは周りを見回して、ふと呟く。
「マオは?」
「まだ試練中」
「そうなの。遅いわね…」
一体誰に会ってるのかしら、と首を傾げた瞬間に、ハッと気付いた。
「もしかしてマオ……」
帰ってこないんじゃ…?
だって、マオが一番会いたいと思っている人って言ったら、絶対あの人じゃない。
マオの、義兄である、あの人。
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