60話 インドラの試練

3/8

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/50ページ
「インドラ?マオ?居ないの?……ったく、何が試練よ……こんななにもない部屋」 リンネはリンネで白い部屋の中に居た。何もないただただ白い部屋に。 「ふう…待ってれば何か起こるのかしら?」 「………姉さん?」 「え?………あ、貴方!凛太郎じゃない!どうしたの、こんなところで!」 キャッキャッとリンネのテンションが異常に上がる。 急いで駆け寄ろうとするが、ふと疑問に思う。 「…?どうしたの、姉さん」 「貴方、どこから沸いてきたの?この部屋には私しか居なかったはずだわ」 「……姉さんの見間違いじゃ」 「いいえ、そんなことない。……貴方、凛太郎じゃないわね?」 「そんなこと」 「ある。凛太郎は私に対して間違いを指摘したりしないもの。それに学校では姉さんって呼んでるみたいだけど、私に対しては姉様って呼んでいるのよ、知らないの?」 それを聞き、凛太郎に化けていた何かは くく と笑った。 「参ったよ、試練は合格。帰っていいよ」
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加