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モノクロの視界で、唯一色を持っている肩幅の大きい背中を私はじっと見つめていた。 白衣を羽織った彼は、目の前にある林檎がトレードマークのノートパソコンをしきりに操作していた。 とある施設の一室だった。 ここはただ、いるだけで体温を奪われてしまいそうな冷たく分厚い鋼鉄の壁と、白衣の彼が子供のように夢中になっているパソコンが申し訳程度にデスク上にあるだけのとても無機質な部屋だ。 彼はキーボードを叩いてはたまに独り言をぶつぶつと呟き、そしてまた作業に戻る。 私はそんな彼の背中を見つめる。 無機質な部屋にお似合いな無機質な光景が、かれこれ三十分は続いていた。 そして、もう振り切っていたはずの後悔が少しだけ押し寄せ、私の中で懺悔の波となっていた。 ──ごめんなさい。ごめんなさい。
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