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花の銀座は相変わらず人で混み合っている。
休日だけあって家族連れも多いし、いかにも観光的な日本人・外国人も目立つ。
都内に住んでるとは言え、あまりこの銀座という土地には滅多に訪れることはないので、母と二人物珍しく歩行者天国を歩く。
「銀座で買い物って、三越?」
宛てもなく歩いている感じがしたので母に聞くと、グイッと腕を掴まれた。
「こっち、こっち」
珍しく母があたしを引っ張りながらとある店先にたどり着いた。
「な、なんの冗談?」
そこは世界的にも有名な高級ブランド店。
ブランドに疎い私でも知っている。
そんな私だってこちらのバッグは持っている。
でもそれは特別な時だけにしか使わず、大事にしまってある。
「たまにはこういうのもいいんじゃない?
お母さん、ロト6が当たったのよ!
千咲、来月桜さんの結婚式があるって言ってたでしょう?
服、買ってあげる。
もういい年なんだから、こういうブランドの服を持っててもいいんじゃない?」
そう言うと母は強引に私を店内に引っ張り込んだ。
「え、え、え??」
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