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金曜日の夜、時刻は10時過ぎ。 ホームにいる人は疎らだった。 タイミング良く到着した地下鉄に乗り込み、扉のとこに立っていた。 目の前の扉のガラスに写り込んだ自分の姿は本当に酷いものだったが、私の目線はその奥の真っ黒な背景だった。 ……聞かなきゃ良かったかなぁ… 地下鉄が走り出しても、変わらず真っ黒な外を見ながら、さっきまで起きていたことを思い出していた。 返ってくる答えなんて分かりきっていた。 けど、もう限界だったんだと思う。 彼女と仲良く歩いてるとこを見たという友達からの報告も。 私が二番目だという事実も。
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