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さっさと身支度を済ませて、玄関へ向かおうとした時、彼に右腕を掴まれた。
「ごめん…」
真っ直ぐに私を見ながら言った彼。
予想外の彼の言葉に驚きながらも、笑顔を作った私。
でも、心の動揺は止められるわけもなく、次第に涙へと変化していく。
潤んで今にも溢れ出しそうになりながらも、必死に堪えて彼の手を振りほどいて玄関を飛び出した。
マンションのエントランスを出ると、外は雨…
なのに、あの傘を置き忘れてしまった。
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