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机を円状に並べたその何処ででもありそうな状況なのに、空気だけが異常に重たかった。
円状の中心には一つの机があり、机を前に大人しそうな三つ編みの女子生徒が俯きながら立っていた。
そしてそれの目の前、つまり円状の起点となっている机には、金髪碧眼のフランス人形のような容姿をした少女が楽しそうにはにかんでいた。
その後ろには何処にでもある黒板が配置されており、白のチョークで『投票結果』と可愛らしい字で書かれていた。
誰もがそのクラスメイトの名前を正方形に切られた紙に書いていく。
当の本人は、顔を青ざめさせながら俯いているものの、口を動かして何かを呟いていた。
今はそんな事さえも誰も気に留めない。
各自思う事は様々だろう。
憎悪、私恨、躊躇、迷惑、不安、期待……。
各自が書き終えた頃を見計らっていたかのようにぐるりと辺りを見回すフランス人形は、にんまりと屈託のない笑みを浮かべた。
「さぁさぁ、皆さん。
この箱にその紙を四つ折りにしていれるのディス!」
何処から取り出したか、フランス人形のもつ一般的な大きさの長方形の投票箱に、各自名前を書いた紙を四つ折りにして入れていく。
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