プロローグ

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(消えた…。くそ…。頭が…) 少年は気絶してしまった。 ▽ 「危ないところだったな」 男は銃をしまうと倒れている少女に近づく。 「大丈夫か」 「はい…。何とか…」 少女は体を起こして答えた。 「そこの少年が助けてくれたので」 「ほう。その少年が…」 男は少年の方を見る。 「彼の手当てを…」 「わかっている。じきに、応援が駆けつける。後のことは任せろ」 「はい…」 少女は安心したように意識を失った。 ▽ 「他にも聞きたいことがあるからな…」 男は首にかけたヘッドホンを頭につけると月を見上げた。 ▽ 同時刻… 「すみません…。取り逃がしました」 シルクハットの男は椅子に座る何者かの前に跪いている。 「…そう」 座っている男は黒いローブを深く被っているので見えない。男の側には女性が立っている。 「ロラン!貴様任務に失敗してそれだけか!」 女性は声を荒げる。 「いいよレイラ。海堂恭弥が出てきたのは計算外だった。仕方ないよ」 ローブの男がレイラと呼ばれた女性を宥める。
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