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「そうだ!せっかくだからあいつらも呼んで屋上で星でも見るか」
少年は立ち止まりケータイを取り出して電話をかけた。
「もしもし?俺なんだけど今から学校の屋上で会わない?」
「はぁ?明日は卒業式だぞ。それにもう夜遅いし…」
「だからこそだよ。学校にお別れをしようぜ」
「はぁ…。わかったよ。お前は一度言い出したら聞かないもんな」
「ありがとう!じゃあ、太一にも声かけておいてくれよ。先に屋上で待ってるから」
「ああ。わかった。じゃあ、屋上でな」
少年は電話を切ると学校に向かってまた走り出した。
▽
「何とかここまで来たわ…。ここまでくれば…」
「安全だと思ったんですか?」
少女が学校の中を歩いていると柱の影から男が現れた。
「えっ!」
少女がいるのは学校であった。何とか森から市街地まで来た少女は学校にひとまず身を隠そうとしていたのだ。
「何であんたがここに!?かなり遠くまで飛ばしたはず…!」
「ええ。飛ばされましたよ。しかし、あなたに発信機をつけておいたので居場所はわかりました」
男は不気味な笑みを浮かべながらゆっくりと近づいてくる。
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