プロローグ

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「しつこいですよ」 しかし、少女はまた男に蹴られて飛んでいく。 「は、早く…。逃げ…」 「いい加減にして下さい…。はぁ、もういいです」 男は倒れている少女の頭を踏みつけて冷たい目をしていた。 「終わりにしましょう」 男はナイフを懐から取り出すと振り上げた。 (くそ!このままじゃ!) 少年は何とか動こうとするが体が言うことを聞かない。 (動け!動けよ!) 少年は少女を助けたいと強く願った。 その時… 少年の中に力が宿った…。 ▽ 「待て!」 少年の声が辺りに響く。 「おや?なぜ動けるのですか?」 男は振り上げていたナイフを下げて少年の方を見る。 「その足をどけろ!」 少年は叫びながら男に向かっていく。 「わかりました。あなたから殺してあげますよ…!」 男は少年の懐に素早く入り込むとナイフを腹に刺した。 はずだった… 「なっ…!?」 男のナイフを持った手は少年に握られていた。 「うぉー!」 少年は男に思いっきり蹴りを放った。
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