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(何だ?突然頭が…?)
少年はあまりの痛みにその場に蹲ってしまう。
「まだ、目覚めたばかりなのですね…。残念でしたね」
男は少年のことを一瞥した後少女に近づいていく。
「くそ…。やめろ…」
少年はなんとか立ち上がろうとするが立ち上がれない。
男の手が少女に触れようとした瞬間…。
▽
パン!
銃声が響き男の手を銃弾が射抜いた。
「なっ…?誰ですか!?」
男は手を押さえながら叫ぶ。
「何とか間に合ったな」
屋上に一人の男が降り立った。
「あなたは…?」
男は首にヘッドホンを掛けていた。頭は天パで眼鏡をかけており、顔は眠そうな顔をしている。
「恭弥さん…」
辛うじて意識を保っている少女がそう呟く。
「恭弥…?海堂恭弥(かいどうきょうや)ですか!?」
男は驚きの声を上げる。
突然現れた男は銃をシルクハットの男に向けながら大きく欠伸をした。
「さあ。どうする?手負いのお前と俺。どっちが強いかな?」
男は無表情で問いかける。
「確かに…。分が悪いですね。仕方ありません…。ここは引きます。その少年によろしく伝えといて下さい」
男はシルクハットを抑えると微笑を浮かべ少年を一瞥した後、一瞬にしてその場から消えた。
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