休日

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「おー、買ったなぁ……」 三階に移動し、買い物を済ませていた四人と合流すると俺はまずそんな声を漏らしていた。 四人は広場にあるベンチに腰掛け休憩していたのだが、その近くにそこそこの大きさの買い物袋がいくつもあったのだ。 「これの半分以上はソフィ姉とナミ姉のだけどな。 夏物だけじゃなくて秋物冬物も買ったから」 「それでこの量か……」 思わぬ量に嘆息しつつ、俺は一度指を鳴らす。 すると荷物の下に空間の亀裂が現れ、荷物をごっそり飲み込んだ。 「便利な魔法だね、異世界のものかい?」 「ええ、【ボックス】というものです」 この世界で俺が使えるようにしてある数少ない魔法、【ボックス】を見た学園長は驚いたような声を上げる。 そういえばこの世界には亜空間にアクセスするような魔法は存在しないので、ボックスや転移の類の魔法は存在しないんだった。 見ると周りにいた買い物客達も何事かとこちらに注目していた。 しまった、少しばかり軽率だったか。 「そういえば、二人とも着替えたんですね」 「ああ……どうだろう?変ではないかな……?」 この場にいる五人を除いた全員を対象に指定し、現返しでボックスに関する記憶を消去しながら学園長に問いかける。 学園長と伊邪那美の服装は買い物を始める前から変わっており、 学園長は何時ものスーツ姿から所々に装飾が施された白い半袖のセーターと膝上の黒いスカートというシンプルながらもお洒落な格好で、 伊邪那美は濃紺のミニスカートと白いニットの上に薄桃色のカーディガンを羽織るという姿に変わっていた。 二人とも派手な服装では無いものの大人っぽい魅力を活かしたコーディネートをされていた。 「大変良くお似合いですよ」 「む……そうかい?ありがとう」 素直な賞賛を贈ると、学園長は少し頬を染めて礼を言ってきた。 「ちょっと、私には何も無し?」 「仮にも自分を褒めてどうするんだよ恥ずかしい。」 伊邪那美が拗ねたような声を上げるが、流石に気恥ずかしいので遠慮させて頂くと、学園長がくすくすと笑い出した。 「言葉にはしないが褒めるのは決定なんだね」 「あら、相変わらず素直じゃ無いのね」 「アリシア達なら絶賛した上に抱き締めてたけどな」 「ちょっと表出なさい」
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