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「はい、お待たせ」
それから魔法やら何やらを駆使し、短時間でケーキと羊羹を用意した俺はそれらを皿に盛り付け、紅茶と緑茶を淹れるとトレーに乗せて二人の元へ運ぶ。
そして伊邪那美の前に羊羹と緑茶を、アリスの前にショートケーキとミルクティーを置くと俺の分の紅茶とケーキをテーブルに乗せてキッチンのカウンターから持ってきた椅子に腰掛ける。
「随分早かったわね。珍しく魔法でも使った?」
「誰かさんが手伝ってくれなかったからな。ほらアリス、遠慮してないで食べてみてくれ」
羊羹を黒文字で小さく切って食べ始めた伊邪那美に流し目を送り、アリスに小さめのフォークを渡してケーキを勧める。
アリスの味の好みが分からなかったので無難なショートケーキにしたが、果たして口に合うだろうか?
アリスが小さく掬ったケーキを小さな口に運ぶのを見ながらそんなことを考えていると、ケーキを食べたアリスが少し表情を明るくしたように見えた。
「これは……美味しいと言うのでしょうか?ふわふわで優しい味がします……」
そう言ってアリスはまたケーキにフォークを通し、二口目を口にする。
どうやら気に入ってくれたらしく
美味しそうに食べてくれているので俺としても作った甲斐があったというものだ。
一生懸命ケーキを頬張るアリスを見ているとなんだか笑みが零れてしまうが、余りジロジロ見られても気分がいいものではないだろうと思い直し俺も自分のショートケーキを食べ始めた。
うん、美味しい。ケーキはここに来てから初めて作ったけど、これは成功だったかな?
それから暫し三人で談笑し、その夜は更けていった……
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