3615人が本棚に入れています
本棚に追加
「そういえば、第一王女ってことは第二王女も居るんだよな?
その人はどんな人なんだ?」
「ああ……シャイン様か?あの方は立派な方だよ。
姉とは違って民草のことも考えて下さっている。
時々城下に降りて来て俺たち平民の暮らしを見て、それを内政に取り込もうと打診して下さっている。」
「なるほど、いい王女様じゃないか」
民の為にそこまで出来る王女も今時珍しい。
数パーセントでもいいからビッチはそれを見習うべきだと思うんだ。
「だが最近はめっきり姿を現されなくなったな……御病気にでもかかられたりしていたら心配だ」
「ふうん……」
何故だろう、圧倒的イベント臭がするのは。
とりあえず言えることは、面倒臭い。
≪隼人、終わったわよ≫
≪了解≫
と、そんなことを考えていると伊邪那美からテレパスが届いた。
ちなみにこれは念話とは違う俺と伊邪那美だけの完全プライベートチャンネルだ。
「んじゃ、そろそろ失礼しようかな。会計は?」
「そうかい、代金は1000メアだ」
「ハイよ、ご馳走さん」
アリスがケーキとコーヒーを片付けるのを見計らい、財布から代金を取り出しマスターに手渡す。
「また来てくれよ。サービスする」
「そうさせてもらうよ。それじゃ」
最後にマスターとそんな会話を交わし、アリスを伴って喫茶店を後にする。
待ち合わせ場所に設定したのが三階(カナ達が買い物をしているフロア)の広場なので、二階に居る俺達は一つ階段を上がらねばならない。
時間としてはそれ程かからないが、念の為急ごう。
俺とアリスは少しだけ歩く速さを早め、上へと続く階段へ向かった。
最初のコメントを投稿しよう!