(言うこと聞く気)ゼロの使い魔

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. 「これは一体何の騒ぎだい?」 「が、学園長!?」 俺達に跪いたままの使い魔達を主人の下へ帰していると、校舎の方から黒い長髪をなびかせて黒いレディーススーツを身に纏った20代前半位の女性が歩いてきた。 「学園長!なぜここに?」 「学園の敷地内に学園長の私が居て何かおかしいのかい? ああ、そこの可愛い竜君、この殺気を消してくれるかい?歩き辛くてかなわん」 学園長と呼ばれた女性は平然と歩いて俺達の近くまで来ると俺にそう言ってきた。 手加減してるとはいえ人が動けなくなる程度には強い殺気なんだが………おそらくはかなりの実力者だろうな。 伊邪那美、こういう人をお姉さんって言うんだぞ。 「どういう意味?」 【きゅるる(さあな)】 「うむ、ありがとう。 ガイウス先生、あなたは倒れた生徒達を寮まで運んでくれ」 「しかし……かしこまりました」 女性がそう言うと、体育教師は一瞬躊躇したものの直ぐに頷き未だに動けない生徒達の方に走って行った。 「やれやれ……無粋な真似をして済まなかったね。 彼は少々思考が偏りがちになるきらいがあってね、それを直せばいい教師なんだが………」 「別に気にしてないわ。 あの程度の攻撃なんてこと無いもの」 本当にそのようだね、と伊邪那美の言葉に苦笑すると学園長はレンの頭の上で丸まって尾羽根でレンの頭をぺちぺちとしている俺に目を向けてきた。 伊邪那美に何してんのよ的な目で見られたが気にしない。 意外とレンの頭の上が快適なんだよ、バランス感覚がいいのか揺れないし。 「小竜君も済まなかったね。 二人を守ってくれて感謝する」 その言葉に体勢はそのままに尾羽根をゆらゆら揺らすことで答えると、女性は微笑んでこちらへ近づいてきた。
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