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「あ!こらレン!ピーマン残さない!人参まで!」
「え~!苦いの嫌いなんだよ……」
「苦手でも少しずつでもいいから食べられるようにしなさい。
捨てるなんて作ってくれた人に失礼だろ?カナを見習え」
はい、という訳でカナと一緒に昼食に焼きそばを作って皆で食べてるんですが………予想以上にレンの好き嫌いが激しいです。
「野菜が全搬的にダメ!」といった感じに、主にピーマンと人参を綺麗に避けて食べているので思った以上に質が悪い。
というか味覚が小学生レベル。
「全く……ほら、これだけ食べてやるから、後は自分で食べなさい」
「も、もうちょっと……」
「ダメ」
「………カナ~…」
「頑張ってこれを機に野菜嫌いを直そ?」
レンの皿から3分の2程度野菜を回収すると、レンは往生際悪くカナに助けを求めたがカナはこれを一蹴、レンは泣く泣くゆっくりと野菜を食べ始めた。
「お父さん、この食器はどこに置けばいいのかしら?」
「ああ、流しの中に……って誰がお父さんだ
あとお前は自分で洗え」
つい紅玉宮の中でのノリで返事しかけたじゃないか。
あとお前が俺のことをお父さんと呼ぶな。
一体何億歳離れてると……おっと危ない、フォークを投げるなよ。
「ごぢぞう"ざま"でじだ……」
そんなことをしている間にどうやらレンが野菜を食べ終えたらしい。
てか涙声になるほど嫌か、こりゃ難敵だ。
「お粗末。少し休んだらデザートも作ってあるから、それ食べような」
「うん……」
テーブルに突っ伏してダウンするレンの頭をぽんぽんと叩き、食器を拾い上げる
結局こうやって許してしまう辺り俺も甘いのかもしれない。
「フフッ」
「どうした?」
カナと食器を洗っていると、突然カナが笑い声を漏らした。
「ううん、こんな楽しいご飯久しぶりだなって思って。
レンも楽しそうだったし。
いつもは二人だけだったから、こんな賑やかなご飯は久しぶりだったんだ」
食器を洗いながらカナは優しい目でレンを見つめながら呟く
「……これからずっと、嫌でもこんな毎日になるよ。
ま、レンへの説教が殆どになりそうだけどな」
「フフッ、本当にお父さんみたいだねお兄ちゃん」
そう言って俺達は静かに笑いあった
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