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「レン!大丈夫!?」
男子生徒は相当の力でレンを殴ったのか、レンは私が居る魔法陣の中にまで吹き飛んできた。
「レン!血が……!」
「大丈夫だ…口の中をちょっと切っただけだから……」
「でも……」
「それよりあたしは早くここ出ないとな。
禁忌召喚になったらマズ……げっ…」
突然不自然に言葉を切ったレンの視線をたどってみると、そこにはレンの口元から垂れた血が魔法陣の上に赤い染みを作っていた。
カッ!!
そして無慈悲なことに魔法陣はこれを召喚と判断したのか一瞬銀色の光を放ち、その直後にくすんだ灰色に変化した。
「こ…これは……ヤバいパターンかな?」
「う、うん……多分……」
私達がどちらともなく固く手を握り合うと、魔法陣は一層強く発光し、銀と灰色に明滅し始めた。
「問おう、あなたが私のマスターか?」
ぎゅっと両目を瞑ると、そんな男の人の声が聞こえた
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