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「と言われてもね……」
顎に手を添え、何かを思案する学園長。
マーレの学園長と違って良心的だから無理難題はふっかけてこないとは思うが、なんだか死刑宣告を待つような心境だ。
「あ、じゃあソフィ姉の仕事の手伝いとか身の回りの世話とかは?」
「ああ……確かにそれは罰ゲームになりそうだね……」
レンがそう提案すると、その隣でカナが苦笑いで頷いていた。
「罰ゲームって……そんなに酷くはないだろう?」
「卵焼きを作ろうとして暗黒物質を生成するのは一般には酷いって言うんだよ、お姉ちゃん。」
何それ怖い。
「それに仕事だって大変そうじゃん」
レンはそう言って学園長のデスクを指差す。
その先には、1m程の高さに積み上げられた紙の山が幾つか乗せられていた。
何処かの生徒会室みたいだな。
まあ、誰かに押し付けなければこれが普通なんだろうが確かに大変そうではあるな。
「なら決まりね。隼人、あなた今日から日中は学園長の手伝いをやりなさい。」
「えー……カナの護衛と特訓はどうすんだよ?」
それに決闘に負けて誰かの手伝いに回されるって嫌な前例があるんだよ。
あの金髪オールバックとか。
……いや、ならないけどね?
「それなら私がきちんとやるわよ。
第一あなたは二人に一日中張り付いていられないでしょ?
それならまだ女の私の方が都合がいいし、あなたも少しは分かると思うけど女の子は色々と大変なの。
それに、ちゃんとした仕事があればいくら落ち着きの無いあなたでもちょっとはマシになるでしょ」
「俺ってそんなに落ち着き無い?」
「うん、この世界に来てからは大分」
そんなことないと思いたいが……実際この世界に来てからまだ二日しか経って無いのにもう結構怒られたしな………
「……学園長は?」
「私は……正直なところお願いしたいかな?」
「…………分かりました。それならやらせて貰います」
「済まないね、給料はきちんと出させてもらうよ。
では、よろしく頼む」
こうして、半ば強引に俺にこの世界での仕事が出来た………はあ。
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