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「じゃあしばらくこれはキープかなぁ……もしかしたらボスドロップを狙わずにライト君の主武装を更新出来るかもって思ってたんだけど」
「まあ、炉とハンマーの強化はあたしも考えておくけど、添加材はあなた達に集めて貰うしか無いわよ。
既存のアイテムじゃランクが低すぎるから、狙うとしたら次のエリア特有の素材か、この鉱石みたいに隠れた高難度クエストをこなすかね」
マリアさんの言葉を聞き、俺とルナは同時に眉根を寄せて「うへぇ……」という表情を作る。
今日のクエストは単純な難易度で言ったらダイブ二日目に二人で受けたウルフ駆逐クエストよりも間違い無く高い。
ウルフ駆逐クエストも大変だったことは大変だったが一匹一匹にはそれ程苦戦はしなかったし、まず戦闘中に脱出不能プラス全アイテ使用不可などという絶望的な状況に陥ることもなかった。
全てがそんな性格の悪いクエストだとは思わないが、今日のクエストは俺達をそんな表情にさせるのに余りある苦労体験だったのだ。
「まあ、そんなに慌てなくてもいいわよ。
この鉱石はかなりの高優先度アイテムだし、これで作った武器を超えるスペックの武器はボスドロップの魔剣以外ではあんまり無い筈だからのんびり気が向いた時にでも集めたら?」
「そうします。レベルも上げないといけませんし」
「ライト君がこれ以上強くなったら本当にどうなるのかな?」
「まあ、間違い無くボス戦は楽になるわね」
俺の言葉にルナが呟き、マリアさんが笑いながらそれに答える。
正直な話、ステータスは高くてもプレイヤースキルの面ではルナの方が圧倒的に優れている。
おそらく今ルナと戦えと言われても俺が勝てる可能性は相当低いだろう。
まあ、まずルナと剣を交えるような状況になることがあるのか分からないが。
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