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「それじゃあ、ご馳走様でした」
「お粗末様。それじゃあまた後でね」
それからしばらく雑談し、落ちるにいい時間になったので俺はメニューウインドウを呼び出してログアウトしようとマリアさんとルナに別れを告げる。
「ライト君、明日のボス戦の準備もしたいからまた後で入れる?」
「ああ、大丈夫だけど……何時頃?」
「じゃあ……いつも通り八時ごろにしよう。
マリアもその時間にはログインしてる?」
「大丈夫よ」
マリアさんに確認を取ると、ルナは頷いてこちらに向き直る。
「じゃあ、いつも通り八時にログインしてそれから準備を始めよう。」
「了解、準備にはどれくらい時間がかかる?」
「アイテムを調達して、装備のメンテナンスをするくらいだからそんなにかからないよ」
「あ、それなんだけどルナ。明日は他にも何件か依頼が入ってるから少し時間がかかるかも」
ルナが俺の質問に答えると、それに補足する形でマリアさんが言った。
確かに隠れた店とは言え俺とルナ、リリアさん以外にも客はいる筈だし、日曜はボス戦だ。
マリアさんの鍛治の腕ならばボス戦に向けて武装のメンテナンスもしくは強化をしたいという人も多い筈。
「だから、どうせだしゆっくり首都をライト君に案内してあげたら?まだライト君転移塔とその周辺しか分からないでしょ?
折角纏まった時間が取れたんだし、ボス戦前にしっかり英気を養ってらっしゃい」
「それもそうだね。ライト君はどう?」
「じゃあ、是非お願いしようかな」
この提案は俺としては願ってもないものだったので即答する。
この世界にも少しずつ慣れてきたが、ゆっくりと観光をしたことは無かったのでこれを気にこの街の地理を把握したいのだ。
具体的に言うと道具屋や美味しい屋台の分布など。
「ん?」
と、話が纏まろうとしたところで突然ピピッという電子音が二つ分響き、俺とルナの手元に小さなホロウインドウが出現した。
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