第1話

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「悠里、お前が16歳になったら迎えにくっから」 がばっ!! ぴぴぴっぴぴぴっぴぴぴっ がちゃっ ・・・嫌な夢・・・ 十年前・・・ 小学一年のとき私には幼馴染がいた。 『藤田翔樹』 私はバスケをしていて翔樹とはバスケチームで出会った。 翔樹。7つ上のお隣さん。今は多分23歳・・・ 幼馴染でもあり初恋の相手でもあった。 引っ越して来たばかりの私といつも遊んでくれた。 でも、私が小学校5年の夏。 「てめぇらと一緒にすんじゃねぇ!」 朝早く、翔樹は家から出て行った。 その数日後・・・ 「悠里、お前が16歳になったら迎えにくっから。 誰の物にもなるんじゃねぇぞ!」 そう私の携帯にメールが届いた。 その後、何度も何度も電話をかけたけどつながらなかった。 だけど、毎年誕生日には電話をくれていた。 1、2分の短い電話。 それでも私はうれしかった。 私が中学校に入ると同時に親が離婚した。 私は母に引き取られた。 母は離婚してすぐ、再婚した。 私より2つ上子供の李斗をつれた金持ちそうな男と。 それをきっかけに翔樹は電話をしてくれなくなった。 中1から高1の今まで一度も。 私は明日16の誕生日だ。 もちろん翔樹が迎えに来るとは思えない。 家だって引越し、他県に住んでいる。 でも、迎えに来てほしいという気持ちはあった。 母は再婚してからというもの私に口も聞かなくなってしまった。 父は私をいないように思っている。 李斗は・・・ コンコン・・・ 「おい悠里!いんだろ?入るからな」 「ちょっと!勝手に入らないでよ!」 「別にいいだろ?稼いでるのは親父だ!てめぇのクソババァじゃねぇ!」 「だからって!勝手に入ってこなくたって・・・んっっ!!」 「うるせんだよ!だまれ!」 私なんか奴隷以下。 普通にキスだってしてくる。 気持ち悪い。 「何しにきたんだよ!」 「あ、忘れるところだった。親父が呼んでるから下行け。ブス」 「誰がいくか!クソジジィ!!」 パシーンッ 「ってーな!何すんだよ!!」 「ごちゃごちゃいわねぇでさっさと降りろってんだよ!体目当ての字ジィに売り飛ばすぞ!」 平手打ちを食らった私は下に降りた。 するとリビングのソファに父が座っている。 「座れ」 ソファに座ると ガッ 「ちげぇよ。下に座れ。」 机をけってそういった。
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