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「…俺、そいつに会ってみたい!!」
「!?いけません、愛美!危険です」
「そうだよぉ、どんなやつか分かんないじゃん!」
「……危ない」
「「愛美、やめようよ~」」
突然愛美がそんなことを言い出し、慌てて役員たちが制止する。が、言い出したら聞かないのが愛美だ。
「じゃあさ!みんなで会いに行けばいいじゃんっ!」
「ですが…」
「そいついきなりここに来て、きっと困ってる!だから俺が友達になってやるんだ!!」
「!愛美…!」
愛美の言葉に役員たちは感動したように身体を震わせた。
「…仕方ありませんね。愛美がそこまで言うのなら」
「おれらが一緒に行けば安心だしね~」
「「釘刺しにいかなきゃね!」」
「……愛美、守る…!」
「くくっ、お前といると退屈しねぇな」
「おうっ!俺、がんばるな!」
生徒会の面々の笑顔に励まされ、愛美は力強く宣言した。
盛り上がる一同の横、夜斗は口元にあてた手の影で、堪えきれぬ嗤いを零していた。
「…面白くなってきたな」
──それは、愛美に向けていたものとは全く違う、どこか禍々しい狂気じみた笑みだった。
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