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ひとつため息を吐き、ふと横を向けば、こちらを見ていた男と目が合った。
「…お前はあれに参加しないのか」
「見てる方が面白ぇからな」
問いかけるとさらりとそんな答えが返される。
その顔には、やはり余裕の笑みが刻まれている。
「伍条愛美が好きなのではないのか」
笑みが更に深まった。
「──もちろん、ダイスキに決まってるだろ?」
「ならば──」
「おいっ何二人だけで話してんだよっ!」
唐突にばんっとテーブルが叩かれ、テーブルの上の食器がガチャガチャと耳障りな音を立てた。
「夜斗!何話してたんだよ!」
「──妬くなよ、愛美。俺はお前のものだろ?」
「!なななっ、なに恥ずかしいこと言ってんだよ…!」
「真っ赤になって、可愛いな。…愛美?」
「~~可愛くなんかねぇっ!!」
完全に自分が視界から外れたのを確認して、ヴェルサスは知らず、はあ、とため息を零したのだった。
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