4人が本棚に入れています
本棚に追加
そう、そんなんじゃないの。
ただ、気が動転して軽くパニックになってたの。
桜花学園に入って間もない頃、まだこの土地に馴染めないあたしは、よくこのレトロでお洒落な喫茶店に通っていた。
敬ちゃんは母方の従兄で、ここでバリスタを目指してたのも知ってた。
そのうち綾斗先生と鉢合わせしてしまって、送ってもらった先で同じマンションに住んでることが分かった。
以来、あたしは早めに帰ってご飯を作って、綾斗先生が帰って来たら一緒食べるようになって……。
一緒ち過ごす時間が増えて、好きになった。
その時の相談に乗ってくれたのも、敬ちゃんだった。
あまり快く思ってないけど、何かと親身になってくれる。
ふと、放課後の光景を思い出して、目頭が熱くなった。
「ごめ……」
「ったく……」
最初のコメントを投稿しよう!