第1話 ~紗綾~

14/18
前へ
/18ページ
次へ
グリグリと撫でる敬ちゃんの大きな手があったかい。 「とりあえず、お前の好きなチョコ入りのホットミルクでも飲め。  少しは落ち着く」 「ありがと……」 敬ちゃんが淹れてくれたホットミルクは、猫舌のあたしにはちょうど良いくらいのあったかさだった。 夜眠れない時は、よくこうしてホットミルク飲んでいたのを思い出す。 そんな時、入口のシャランという音がした。 「てめーなんの用だ、このカマ野郎ー!」 そう叫んだ敬ちゃんの頭に店長の強烈なチョップが容赦無く襲う。 「ぬあっ?!」 店長は何も言わず、そのまま磨いていたグラスに目を戻した。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加