~更科とりかへばや物語~

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side:葉月 ーー2時間目 古文 今日は文法と物語文「大鏡」の読解。 いわゆる「四鏡」の最初の作品で歴史物語である。 (“だいこんみずまし”って覚えろってこないだ先生が言ってたっけ...でも成立順と時代順が違うとも言ってたな...) そんなことをぼんやり考えていたら、 「じゃ、次、更科~読んでから訳せ~」 「ぇ...!?あ、は、はい!!」 慌てて立ち上がる。 「えっと、読んで、訳...ですね......」 (どうしよう...ボーっとしてたからページがわからない...) 「ねぇ、どこから?」 僕は思わず隣の席の人に小声で話しかけた。 その人は目を丸くして驚いたような顔をした。 ちょっと間があったけど、場所を教えてくれた。 「えっと、院にならせたまひて...... 訳は、三条院天皇が上皇になってから.........」 とりあえず訳して、ちらりと先生の方を見やった。 なぜだか教室中がシーーーーンとなってしまった。
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